ブラウザで弾けるそろばんの使い方
このページでは、画面に出ている日本のそろばんを、指やマウスで実際に弾いて練習できます。玉は上に1つ(五珠)、下に4つ(一珠)の、いま学校やそろばん教室で使われている形です。そろばんが手元になくても、パソコン・タブレット・スマホのブラウザだけで、数の置き方からたし算・ひき算まで練習できます。登録やダウンロードはいりません。
そろばんの各部の名前

そろばんの真ん中を横に通っている板を梁(はり)といいます。梁の上にある1つの玉が五珠(ごだま)、梁の下にある4つの玉が一珠(いちだま)です。玉を通している1本1本の軸を桁(けた)といい、1本の桁が数の1つの位を表します。梁には小さな点がいくつか打ってあり、これを定位点(ていいてん)と呼びます。定位点のある桁を一の位に決めると、その左が十の位、百の位…、右が小数の位になります。
0〜9の置き方

梁に付いている玉が、その桁の数です。五珠が梁に付くと5、一珠は1つ梁に付くごとに1を表します。たとえば7は「五珠1つ+一珠2つ」、9は「五珠1つ+一珠4つ」です。どの玉も梁から離れているときは0です。こうして1つの桁で0から9までを表すので、筆算の数字の書き方と同じように、位ごとに数を置いていけます。
画面での玉の動かし方

玉を押すと、その玉が梁の方へ動きます。一珠は、押した玉と梁までの間の玉がいっしょに動くので、いちばん下の一珠を押せば4つとも上がります。梁に付いている玉を押すと、その玉と外側の玉が梁から離れます(はらう)。玉を上下になぞって動かすこともできます。押したまま横へなぞると、なぞった桁も最初の桁と同じ形になり、梁の上を横になぞると、その桁の玉をまとめてはらえます。全部の玉をはらって0にするには「ご破算」のボタンを押します。
キーボードでも操作できます。左右の矢印で桁を選び、数字のキーを押すと、その桁にその数が置かれて右の桁へ進みます。上下の矢印で一珠を1つずつ、Shiftを押しながら上下の矢印で五珠を動かします。Escでご破算、Enterで答え合わせです。
定位点と位

このページのそろばんは、右から3本目の、定位点のある桁を一の位にしています。定位点は一の位から3桁ごとに打ってあるので、数字を3桁ずつ区切るカンマ(,)と同じ位置が目じるしになります。一の位の定位点のすぐ左の点は千の位、その次は百万の位です。一の位より右の2桁は、小数の0.1の位(10分の1の位)と0.01の位(100分の1の位)です。盤の下には位の名前を出しているので、慣れないうちは名前を見ながら置いてみてください(設定の「位の名前」で消せます)。
そろばんの弾き方(指づかい)

本物のそろばんを使うときは、右手の親指と人差し指の2本で玉を動かします。左手はそろばんの枠に添えて、動かないように押さえます。
| 動き | 使う指 | 意味 |
|---|---|---|
| 一珠を上げる | 親指 | 1〜4を入れる(たす) |
| 一珠を下げる | 人差し指 | 1〜4をはらう(ひく) |
| 五珠を下げる | 人差し指 | 5を入れる(たす) |
| 五珠を上げる | 人差し指 | 5をはらう(ひく) |
「親指は一珠を上げるときだけ、それ以外は人差し指」と覚えるとかんたんです。数を梁に付けることを「入れる(置く)」、梁から離すことを「はらう」といいます。画面の上では指の使い分けはいりませんが、玉がどちらへ動くかは本物と同じなので、指づかいを思い浮かべながら押すと、手元のそろばんに持ちかえたときにも迷いません。
たし算・ひき算のやり方(5の合成・10の合成)
そろばんの計算は、はじめの数を置いてから、次の数を上の位から入れていきます。筆算は一の位から計算しますが、そろばんは大きい位から順に入れるのがきまりです。たとえば36+27なら、十の位に2を入れてから、一の位に7を入れます。
数を入れるだけの計算
2+1や3−1のように、その桁に必要な玉が残っているときは、そのまま入れたり、はらったりするだけで答えになります。2+1なら一珠を1つ上げて3、7−5なら五珠を上げて2です。
5の合成・分解

4+3を考えます。4は一珠が4つとも梁に付いているので、さらに一珠を3つ上げることはできません。そこで「3は5より2少ない」と考えて、五珠を入れてから一珠を2はらいます。これが「5の合成」です。反対に6−4では、一珠が1つしかないので4つはらえません。「4は5より1少ない」ので、一珠を1入れてから五珠をはらいます(5の分解)。5になる組み合わせ(1と4、2と3)を覚えておくと、迷わずに手が動きます。
10の合成・分解(くり上がり・くり下がり)

8+9では、一の位に9を入れる場所がありません。そこで「9は10より1少ない」と考えて、一の位から1をはらい、十の位に1を入れます。答えは17です。15−7では、一の位の5から7はひけません。「7は10より3少ない」ので、十の位から1をはらい、一の位に3を入れます。答えは8です。これが「10の合成・分解」で、10になる組み合わせ(1と9、2と8、3と7、4と6、5と5)を使います。6+7のように、10の合成の途中で5の分解も使う計算もあります。
このページでまちがえたときは、正しい玉の形と、「一の位に9をたす(10の合成): 一の位から1をはらって、十の位に1を入れる」のような動かし方を表示します。上のそろばんを正しい形にそろえると、次の問題に進みます。
練習のモード
| モード | 内容 |
|---|---|
| 自由に弾く | 好きなように玉を動かせます。置いた数は盤の上に大きく出て、1万より大きい数は「123万4567」のような読みも出ます |
| 数を置く | 出た数をそろばんに置きます。1けた〜4けた、万の位、小数(0.1の位)から選べます |
| たし算・ひき算 | はじめの数を置いてから、次の数をたす(ひく)練習です。1けた・2けた・3けた、たし算・ひき算・まぜるから選べます。1けたには、入れるだけ・5の合成・10の合成の計算がまざって出ます |
| 教科書の順 | 小学3年・4年で習う順番(下の表)に、1段階ずつ練習します |
| 今日の問題 | 数を置く問題2問と計算8問の10問です。同じ日なら、だれが遊んでも同じ問題なので、家族や友だちとタイムを比べられます |
練習のモードでは、5問か10問を選べます。「はじめの数」を「置いてある」にすると、最初の数が置かれた状態から始まるので、たす・ひくところだけを練習できます。全問正解したときのタイムが自己ベストとして記録されます。
小学校で習うそろばん(3年・4年)
そろばんは、小学校の算数で3年生と4年生に習います。文部科学省の学習指導要領解説(算数編)では、3年生で整数は万の単位まで・小数は0.1の位までの数の表し方と、1けたや2けたのたし算・ひき算、4年生で億や兆の単位の数と0.01の位までの小数を扱うとしています。「教科書の順」は、解説にのっている例と同じ順番にしています。
| 段階 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 3年 1 | 数の表し方(一〜千の位) | 3507を置く |
| 3年 2 | 大きな数(万・十万の位) | 3万5070を置く |
| 3年 3 | 小数(10分の1の位) | 2.6を置く |
| 3年 4 | 入れるだけの計算 | 2+1、3−1 |
| 3年 5 | 5の合成・分解 | 4+3、6−4 |
| 3年 6 | くり上がり・くり下がり | 8+9、15−7 |
| 3年 7 | 2けたのたし算・ひき算 | 36+27 |
| 3年 8 | 万のたし算・ひき算 | 3万+5万 |
| 3年 9 | 小数のたし算・ひき算 | 2.6+0.3 |
| 4年 10 | 億・兆のたし算・ひき算 | 2億+6億、10兆+20兆 |
| 4年 11 | 小数(100分の1の位) | 0.02+0.85 |
億や兆の計算では、定位点のある桁を億(または兆)の位と決めて置きます。盤の下の位の名前も、その位に合わせて変わります。
練習のコツ
1. はじめは「置く」だけを確実に
計算に入る前に、0〜9の形と定位点の位置を体で覚えるのが近道です。「数を置く」の1けた・2けたで、見た数がすぐ玉の形になるまで練習すると、計算のときに迷う場所が減ります。
2. 一の位を定位点にそろえる
そろばんで多いまちがいは、数の並びは合っているのに、一の位の場所がずれていることです。置く前に、一の位が定位点の桁にくるかを確かめましょう。このページでは、ずれて置いたときに「一の位が定位点から1桁左にずれています」と知らせます。
3. 5と10の組み合わせを言えるようにする
5の合成は「1と4、2と3」、10の合成は「1と9、2と8、3と7、4と6、5と5」の組み合わせを使います。「4をたすのは、5を入れて1をはらう」「7をたすのは、十の位に1を入れて一の位から3をはらう」のように、口に出しながら動かすと覚えやすくなります。
4. 上の位から入れる
2けた以上の計算は、大きい位から入れます。筆算に慣れていると一の位から始めたくなりますが、そろばんでは上の位から順に入れるのがきまりです。読んだ順に指が動くので、数を覚えておく必要がありません。
5. まちがえたら、正しい形と手順を見比べる
まちがえると、正しい玉の形の下に動かし方が出ます。自分の盤のどの桁がちがうかは、赤い点線で囲まれます。形を見比べて、どの動きでずれたのかを確かめてから、上の盤を正しい形に直しましょう。
6. 短い時間でも毎日続ける
「今日の問題」は10問なので、数分で終わります。毎日同じくらいの量を続けると、記録の欄に何日続けたかが出ます。タイムより、まず全問正解を目指すのがおすすめです。
よくある質問
そろばんの下の玉はなぜ4つなのですか?
下の玉(一珠)が4つ、上の玉(五珠)が1つあれば、1つの桁で0から9までを表せるからです。昔のそろばんには、下の玉が5つのもの(五つ玉)や、上の玉が2つのものもありました。日本では昭和10年代に、学校で使うそろばんの形を「上に1つ・下に4つ」に決め、それが今まで広く使われています。
独学でもそろばんは覚えられますか?
数の置き方と、たし算・ひき算の基本(5の合成・10の合成)は、図と練習問題があれば一人でも覚えられます。このページでは、まちがえたときに正しい玉の形と動かし方が出るので、確かめながら進められます。かけ算・わり算や速さをきたえる練習は、教室や検定の教材を使うとよいでしょう。
大人がそろばんを始めても大丈夫ですか?
もちろん大丈夫です。子どものころに習った人の思い出し練習や、子どもに教える前の予習にも使えます。自由に弾くモードで、大きな数の読み(万・億・兆)を確かめるのにも便利です。
「願いましては」とはどういう意味ですか?
そろばんの読み上げ算で、問題を読み始める前に言うことばです。「これから数を読み上げるので、そろばんに置いてください」という合図で、最後の「では」は答えを求める合図です。読み上げに合わせて次々に数を入れていく計算を「読上算」、紙に並んだ数を見ながら入れていく計算を「見取算」といいます。
学校のパソコンやタブレットでも使えますか?
ブラウザだけで動くので、Chromebook や iPad、スマホでも使えます。画面の幅に合わせてそろばんの桁の数が変わり(パソコンは23桁、スマホは9桁ほど)、横にスクロールしなくても全部の桁が見えます。音は最初は出ない設定で、「音:オフ」を押すと玉の音が鳴ります。
印刷できるプリントはありますか?
ゲームの下の「プリント」から、玉を読む問題・玉をかく問題・計算の問題をA4で印刷できます。答えのページも付けられます。
そろばんの由来
玉を動かして計算する道具は古くから世界各地にあり、今のそろばんに近い形は中国で育ったといわれています。日本に伝わった時期ははっきりしませんが、少なくとも15世紀には使われていたと考えられています。江戸時代には上に2つ・下に5つの玉のそろばんが多く、明治時代に上が1つの五つ玉、昭和になって今の四つ玉が広まりました。長く商いや帳簿づけに使われ、今も小学校の算数で、位取りのしくみを学ぶ道具として登場します。
ほかの計算の練習
このサイトには、ほかにも計算の練習があります。「暗算タイムアタック」は、式が1問ずつ出て時間内に何問解けるかを数える暗算の練習です。「パッと暗算」は、次々に出る数を足していき、最後に合計を答えます。そろばんの玉の形が思い浮かぶようになると、頭の中のそろばんで足す練習にもなります。「計算マス」は、縦と横の数が交わるマスに答えを書いていく、たし算・ひき算・かけ算の練習です。