十六むさし

1つの親おやと16の子こで遊ぶ、昔からの盤上遊び。親は子と子の間に入って取り、子は親を囲んで動けなくしたら勝ち。

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駒の表示
駒の表示

記号の駒は、親を朱色の駒に金色の冠、子を墨色の駒に小さな丸で表します。漢字の読めない人といっしょに遊ぶときに。

ver 1.0.0 · 更新

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    十六むさしの遊び方

    十六むさし(じゅうろくむさし)は、1つの「親」と16の「子」に分かれて遊ぶ、日本の昔からの盤上遊びです。「十六武蔵」「十六六指」とも書きます。親は、子と子の間に割りこんで両どなりの子を取ります。子は、親をまわりから囲んで動けなくすれば勝ち。2人が同じ駒を持つ将棋や囲碁とちがい、持つ駒の数も、勝ち方もまったくちがう2つの役で戦うのがおもしろいところです。江戸時代から明治時代にかけて、お正月の遊びとして子どもたちに親しまれました。

    盤と最初の並べ方

    正方形に縦横5本ずつの線と斜めの線を引き、下に三角形の雪隠が付いた盤。正方形の中央に親、外周の16の点に子が並んでいる図
    親は正方形のまん中、子は正方形のまわりの16の点に置きます。

    盤は、縦横5本ずつの線で作った正方形に、2本の対角線と、4つの辺のまん中を結ぶひし形の線を引いたものです。線と線が交わる「点」が25あり、駒はいつも点の上に置きます。正方形の1つの辺には、三角形の「雪隠せっちん」がくっついています(「牛部屋」「馬小屋」とも呼ばれます)。雪隠には点が8つあり、盤ぜんぶで33の点になります。

    はじめに、親を正方形のまん中の点に、16の子を正方形のまわり(外周)の16の点に1つずつ並べます。ふつうは親から先に動かし、そのあとは1手ずつ交代します。

    駒は線にそって、となりの点へ1つ

    まん中の親から8方向の線にそって、となりの点へ矢印。線のない向きには動けないことを示す図
    親も子も、線でつながったとなりの空いた点へ1つだけ動けます。

    自分の番には、駒を1つ選んで、線にそってとなりの空いている点へ1つ動かします。親も子も動き方は同じで、前にも後ろにも、横にも動けます。斜めに動けるのは、斜めの線が引いてある点だけです。ほかの駒がいる点には入れず、駒を飛びこすこともできません。子の番には、16の子のうちどれか1つを動かします。

    親は、子と子の間に入って取る

    1つ空けて横に並んだ2つの子のすき間に親が入り、両どなりの2つの子が取られる図
    1本の線の上で1つ空けて並んだ子のすき間に親が入ると、両どなりの2つを取れます。

    1本の線の上に、子が1つ間をあけて2つ並んでいるとき、親がそのすき間の点に入ると、両どなりの2つの子をまとめて取ることができます。取った子は盤から取り除きます。すき間の両側が1本の線でつながっていないとき(線が曲がっているとき)は取れません。上の図のように、最初の並びのままでも、親がまん中から斜めの点に入ると、ひし形の線の上に並んだ2つの子を取れます。親が先に動くルールでは、はじめに2つ取られるのはよくあることです。

    親が入った点で、向きのちがう線の上にも同じような組があれば、その組も同時に取れます。縦と横で2組なら4つ、3組なら6つを一度に取ることもあります。反対に、子が親をはさんでも何も起きません。親が取られることはないので、子は取られないように気をつけながら、親を追いつめていきます。

    子の勝ち:親を囲んで動けなくする

    正方形の角にいる親のまわりの3つの点を子がふさぎ、親が動けなくなった図
    親の番に、親が動ける点が1つもなければ子の勝ちです。

    子は、親のまわりの点をふさいで、親が動ける所をなくしていきます。親の番に、親の動ける点が1つもなくなったら子の勝ちです。まわりのふさぎ方にすき間(1つ空けて並んだ子)があると、親に割りこまれて取られてしまうので、子どうしをぴったりくっつけて並べるのがこつです。

    雪隠に追いこむと少ない子でも勝てる

    雪隠のいちばん下の角にいる親を、2つの子がふさいで動けなくした図
    雪隠の奥は、ふさぐ点が少ないので、親が入ると追いつめられやすい場所です。

    三角形の雪隠は、点どうしのつながりが少ない場所です。いちばん奥の角の点なら、となりの点は2つしかないので、子2つでふさげます。親を雪隠に追いこんで動けなくすることを「雪隠詰め」と言います。親にとっては入ったら出にくい、危ない場所です。子が少なくなっても、親が雪隠にいれば子に勝ち目があります。

    親の勝ち:子が少なくなって囲めなくなる

    子が5個まで減り、親が盤の広い所にいる図。「5個以下で親の勝ち」の吹き出し
    子が決めた数まで減ったら、親を囲めないので親の勝ちです。

    子が取られて少なくなると、親を囲むことができなくなります。そうなったら親の勝ちです。何個まで減ったら親の勝ちにするかは、地域や本によって「4個以下」「5〜6個」などいろいろです。このゲームでは、ふつうは「5個以下で親の勝ち」にしていて、設定で4個・6個や「囲めなくなるまで続ける」にも変えられます。

    いつまでも決着がつかないときのために、このゲームでは次のときも親の勝ちにしています。子が親を追いつめられなかった、ということです。

    ルールの違い

    十六むさしは全国で遊ばれてきたので、呼び名も決まりも少しずつちがいます。このゲームでは、よく見られる形が「ふつうの十六むさし」で、ほかの形も選べます。「自分で決める」では、盤の形・先に動かす側・親の勝ちになる子の数を1つずつ組み合わせられます。

    雪隠のない、正方形だけの25の点の盤に、親と16の子が並んだ図
    江戸時代の本には、雪隠のない正方形だけの盤も描かれています。
    決まりふつうの十六むさし雪隠なし子が先手
    盤正方形+雪隠(33の点)正方形だけ(25の点)正方形+雪隠(33の点)
    先に動かす親親子
    親の勝ち子が5個以下子が5個以下子が囲めなくなるまで続ける(1個になったら)
    子の勝ち親の番に、親が動けない

    雪隠のない盤では、いちばんふさぎやすい角でも子が3つ要るので、子が親を追いつめるのが少し難しくなります。「子が先手」は、コンピューターで十六むさしの勝ち負けがすべて調べられたときに使われた決まりです。

    勝つためのコツ

    子のコツ1. すき間を作らない

    親に取られるのは、1本の線の上で子が1つ空けて並んだときだけです。子は、となりどうしをぴったりくっつけて並べれば取られません。動かす前に「この子が動いたあと、親が入れるすき間ができないか」を確かめましょう。印を出す設定にしていれば、危ない行き先に×が付きます。

    子のコツ2. 輪を少しずつせばめる

    最初の並びは、親をぐるりと囲んだ大きな輪です。すき間を作らないように、外側の子から順に1つずつ内側へ進めて、親の動ける場所をせまくしていきます。1つだけ飛び出すと、そのまわりにすき間ができやすくなります。

    子のコツ3. 親を雪隠へ追いこむ

    雪隠の奥は少ない子でふさげる場所です。正方形の中で親の動ける所を減らしていくと、親は雪隠の方へ逃げることがあります。入ったら、入口をふさいでしまいましょう。

    親のコツ1. 広い所にいる

    親が負けるのは、動ける所がなくなったときです。まわりの空いた点が多い、盤のまん中あたりにいると囲まれにくくなります。はしや角、雪隠は、ふさがれやすい場所です。

    親のコツ2. 2組を同時にねらう

    子は、すき間を1か所ふさぐことはできても、2か所を一度にふさぐことはできません。親が1つ動くと、次に割りこめるすき間が2か所できる……という場所をねらうと、どちらかの子を取れます。

    親のコツ3. あわてて雪隠に入らない

    雪隠の中には子が少ないので、逃げ場所に見えることがあります。けれども、入口を子にふさがれると外へ出られなくなります。入るのは、中で子を取れるときだけにしましょう。

    よくある質問

    親と子、どちらが有利?

    子のほうが有利と言われています。コンピューターで調べた研究でも、両方がいちばん良い手を指し続けると子が勝つ、という結果が出ています。ただし、子は1つのすき間で2つずつ取られるので、はじめのうちは親が勝つこともよくあります。2人で遊ぶときは、慣れている人が親を持つとつり合いやすくなります。

    子が親をはさんだら、親を取れる?

    取れません。十六むさしで駒を取れるのは親だけです。子は、親をはさむのではなく、まわりを囲んで動けなくすることで勝ちます。

    一度に何個まで取れるの?

    親が入った点で、向きのちがう線の上に取れる組がいくつもあれば、全部まとめて取れます。2組なら4個、3組なら6個です(親が来た方の点は空いているので、4組は並びません)。

    親は取らずに、すき間の点へ入ることもできる?

    このゲームでは、すき間に入ったらそのまま取ります。すき間の点は、親から見ればいつでも入れる「取れる場所」です。

    CPUの強さはどれを選べばいい?

    はじめてなら「やさしい」がおすすめです。子のCPUはすき間をよく作り、親のCPUは雪隠や角へうっかり入ってきます。「ふつう」は、すき間を作らないように気をつけてきますが、ときどき見落とします。「つよい」は数手先まで読んで、親なら2組を同時にねらい、子ならすき間を作らずに囲んできます。

    待ったやヒント、続きからは使える?

    はい。設定で「待った あり」にすると、「待った」ボタンで自分の手を取り消せます(CPUの手もいっしょに戻ります)。「ヒント」を押すと、先まで読んだらどの駒をどこへ動かすかを青い点線で教えてくれます。途中でページを閉じても、同じ端末・同じブラウザなら「続きから」で再開できます。音ははじめは出ない設定です。

    十六むさしってどんな遊び?

    十六むさしがいつから遊ばれていたかは、はっきりしていません。平安時代の辞書に出てくる「八道行成(やさすかり)」という遊びが元になったという説がありますが、同じ遊びだったかどうかは分かっていないようです。江戸時代にはさかんに遊ばれ、浮世絵にも子どもが遊ぶ姿が描かれています。地方によって「むさし」「弁慶むさし」「十六さすがり」などの呼び名があり、親の駒に武蔵坊弁慶の絵を描いたものも売られていました。俳句では新年の季語にもなっています。ヨーロッパにも、1つのキツネを多くのガチョウで追いつめる「キツネとガチョウ」という、よく似た遊びがあります。