箱入り娘の遊び方
箱入り娘(はこいりむすめ)は、縦5マス・横4マスの木の箱の中にぎっしり詰まった駒をすべらせて、いちばん奥にいる大きな「娘」の駒を、下の出口から外へ出してあげるパズルです。駒を持ち上げたり、箱から出したりすることはできません。空いているマスを使って、駒を上下左右にすべらせるだけです。空きはたった2マス。どの駒をどちらへ動かすかで、あっという間に行き詰まったり、すっと道が開けたりします。昔から日本で親しまれてきたスライドパズル(スライディングブロックパズル)の代表で、伝統の並べ方は、いちばん少なくても81手かかることで知られています。
駒の種類と盤の見方

駒は大きさで4種類あります。2×2マスの大きな駒が「娘」で、この駒を出口から出せばクリアです。縦に2マスの駒は「父」「母」「女中(じょちゅう)」、横に2マスの駒は「番頭(ばんとう)」、1マスの小さい駒は「丁稚(でっち)」と「手代(てだい)」です。父と母、番頭や女中、丁稚たちが、箱の奥で大事に守られている娘を囲んでいる、という見立てが名前の由来です。駒の名前は遊び方には関係なく、大きさと形だけが大事です。
出口は下の枠の真ん中にある2マス分のすき間です。盤の上の点線の四角が、娘が最後に来る場所(下の段の真ん中)を示しています。
駒の動かし方

駒をつかんで(指やマウスで押したまま)空いたマスのほうへ動かすと、駒がすべります。空いたマスがつながっていれば、2マス先まで動かしたり、途中で角を曲がったりすることもできます。駒を押すだけでも動かせます。動ける向きが1つしかない駒は、押すとその向きへ1マス動きます。動ける向きが2つ以上ある駒は、押すと青い枠が付いて選んだ状態になるので、動かしたい先の空いたマスを押してください。
キーボードでは、スペースキーで駒を順に選び(Shift キーと矢印で、その向きにある駒を選ぶこともできます)、矢印キーで選んだ駒を1マスずつ動かします。
手数の数え方

このゲームでは、1つの駒を動かすことを1手と数えます。何マス動かしても、途中で曲がっても1手で、同じ駒を続けて動かしている間はまとめて1手です。ほかの駒に手を移したところで、次の1手になります。動かした駒を元の位置にもどしたときは、その手はなかったことになり、手数も1つもどります。伝統の配置の「最短81手」は、この数え方での手数です。
数え方には流儀があり、まっすぐ動かすごとに1手と数えると90手、1マス動かすごとに1手と数えると116手になります。本や別のゲームで手数がちがって見えるのは、たいていこの数え方のちがいです。
動かせないとき

娘のような大きい駒は、動かしたい向きの2マスが両方とも空いていないと動けません。縦長・横長の駒も同じで、行き先のマスが全部空いている必要があります。また、ほかの駒を飛びこえたり、駒を回して向きを変えたりすることもできません。動かせない向きに動かそうとすると、画面の上に「○○の下に△△があって動かせません」のように理由が出ます。
クリアのしかた

娘が下の段の真ん中(出口の真上)まで来たらクリアです。娘が出口から出ていき、かかった手数と、その面のいちばん少ない手数が表示されます。最短の手数ぴったりで解けたときは、そのことも表示されます。面ごとに自己ベストの手数を記録するので、クリアしたら次は最短を目指してみましょう。
面と難しさ
| 段 | 面 | 最短の手数 | どんな面か |
|---|---|---|---|
| 練習 | 1〜4 | 1〜7手 | 娘を下ろす・じゃまな駒をよける・駒を曲げて動かす、を1つずつ覚える |
| やさしい | 5〜9 | 9〜18手 | 駒が少なめ。空きの作り方に慣れる |
| ふつう | 10〜14 | 22〜38手 | 番頭や女中の置き場所を考えないと行き詰まる |
| むずかしい | 15〜19 | 43〜68手 | 空きが2マスだけの、伝統と同じ駒の数の面が中心 |
| とてもむずかしい | 20〜22 | 72〜79手 | 伝統の配置に挑む前の腕だめし |
| 伝統の配置 | 23 | 81手 | 昔から遊ばれてきた「箱入り娘」の並べ方 |
| 腕だめし | 24〜25 | 82・93手 | 伝統の配置より長くかかる並べ方 |
面は最短の手数の少ない順に並んでいます。どの面から遊んでもかまいません。伝統の箱入り娘を遊びたいときは、上の設定で「伝統の配置」の23を選んでください。はじめての人は、練習の面で動かし方に慣れてからのほうが、ぐっと解きやすくなります。どの面も必ず解けることと、いちばん少ない手数を、コンピューターで全部の動かし方を調べて確かめてあります。
解くためのコツ
1. 空いた2マスを「横に並べる」か「縦に並べる」

空きが2マスだけの面では、2つの空きがどこにあるかがすべてです。空きが横に並んでいれば横長の番頭や娘が上下に動け、縦に並んでいれば縦長の駒や娘が左右に動けます。離れたままだと、小さい駒しか動かせません。まず「空きを並べる」ことを考えましょう。
2. 小さい駒は「空きを運ぶ係」
丁稚や手代のような小さい駒は、1マスずつどこへでも動けます。小さい駒を動かすと、空きがその反対に移ります。空きを必要な場所へ運ぶつもりで、小さい駒を動かしましょう。小さい駒をすみに固めてしまうと、空きを運べなくなります。
3. 横長の番頭の置き場所を先に考える
番頭は横に2マスあるので、娘の通り道をふさぎやすい駒です。娘を下ろすには、番頭をいったん娘より上へ回すか、端によけておく必要があります。番頭がどこへ行けるかを先に見ておくと、手順が立てやすくなります。
4. 娘は「いったん横へ」が近道
娘をまっすぐ下ろそうとすると、下の駒をたくさん動かさなければなりません。伝統の配置の最短の解き方では、はじめの20手あまりで番頭と小さい駒を下の段へ集めて娘の横を空け、娘をいったん横へずらします。そのあと、父や母、女中を娘の上へ回しながら、娘は左右に行ったり来たりして少しずつ下りていきます。遠回りに見えても、娘の通り道を少しずつ作っていくのが正解です。
5. 行き詰まったら「1手もどす」と「ヒント」

「1手もどす」(Z キー)は何回でも使えます。「ヒント」(H キー)を押すと、今の形からいちばん少ない手数で解くための次の1手が、点線の枠と点線の道で示され、あと何手で解けるかも表示されます。ヒントに頼りすぎず、「なぜその手なのか」を考えてみると、次の面で役に立ちます。
6. 解けたら最短を目指す
一度解けた面でも、遠回りをしていることがよくあります。結果に出るいちばん少ない手数を目指してもう一度遊ぶと、むだな動かし方が見えてきます。最短を目指すなら、同じ駒をなるべく続けて動かす(1手にまとめる)のもコツです。
よくある質問
伝統の箱入り娘は本当に81手で解ける?
はい。1つの駒を動かすのを1手(何マス動かしても、曲がっても1手)と数えると、いちばん少なくて81手です。このゲームでも、伝統の配置(面23)をコンピューターで全部の動かし方を調べて81手であることを確かめています。まっすぐ動かすごとに数えると90手、1マスごとに数えると116手です。
どの面も必ず解ける?
はい。全25面、解けることと、いちばん少ない手数を確かめてあります。駒をどう動かしても、動かしたことを逆にたどれば元にもどせるので、途中で解けなくなることはありません。
ヒントを使うとどうなる?
次の1手が表示されるだけで、手数や自己ベストには影響しません。結果の画面に、ヒントを使った回数が出ます。
途中でやめたらどうなる?
遊んでいる面と、それまでの手は自動で保存されます。同じ端末で開き直すと「続きから」で再開できます。クリアした面と自己ベストも、使っている端末のブラウザの中に保存されます。
音は出る?
はじめは音が出ない設定です。「音:オフ」を押すと、駒を動かしたときやクリアしたときに効果音が鳴ります。
箱入り娘の由来
大きさのちがう駒をすべらせて特定の駒を出口へ運ぶパズルは、20世紀のはじめごろから世界各地で遊ばれてきました。アメリカでは1900年代に「Pennant Puzzle」という名前で売られていた記録があり、フランスでは「赤いロバ」、中国では三国志の曹操が関羽の守る道を抜ける話に見立てた「華容道(かようどう)」として知られています。英語では「Klotski(クロツキ)」と呼ばれることもあります。日本では1935年(昭和10年)ごろに流行し始めたとされ、大事に育てられた娘を家族や奉公人が囲む「箱入り娘」の名前で広まりました。伝統の配置の81手の解き方は、1964年にアメリカの数学パズル作家マーティン・ガードナーが雑誌で紹介したことでも知られています。駒の名前は、父・母のほか、祖父・祖母・兄弟などの家族や、番頭・丁稚などの奉公人になっている物もあり、作られた時代や作り手によってさまざまです。
ほかのすべらせるパズル
空いたマスを使って板をすべらせ、1から順に並べる「15パズル」も、箱入り娘と同じ仲間のスライドパズルです。倉庫の荷物を押して置き場へ運ぶ「荷物はこび」は、動かす順番を先まで読むところが箱入り娘とよく似ています。