色と文字のテストの遊び方
色と文字のテストは、「あか」「あお」のような色の名前の文字が、別の色のインクで出てくる遊びです。たとえば「あか」という文字が青いインクで書かれていたら、答えは「あお」。文字の意味ではなく、インクの色のボタンを押します。ルールはこれだけですが、やってみると、つい文字のほうを読んで押しそうになります。この「つられる」感じを、心理学ではストループ効果と呼びます。登録やダウンロードはいりません。パソコン・タブレット・スマホのどれでも遊べます。
画面の見方

「はじめる」を押すと「3・2・1」の合図のあと、最初の問題が出ます。画面の真ん中に大きく出るのが問題の文字で、その上の小さな札が「何を答えるか」の問いです。下に並んだボタンには、色の見本と色の名前が書いてあります。問題の文字のインクと同じ色のボタンを、指で押すか、マウスでクリックしてください。キーボードなら、左から順に数字の 1・2・3…、または各ボタンの右上に出ている英語の頭文字(R=あか、B=あお など)でも押せます。
正解・まちがい・時間切れ

正解すると、かかった時間(反応時間)が出て、すぐに次の問題に変わります。まちがえると、押したボタンに×の印、正しいボタンに枠が出て、少し間をおいてから次の問題に進みます。文字の意味のほうの色を押したときは「文字につられました」と出ます。これがストループ効果でいちばん多いまちがいです。難しさが「ふつう」と「むずかしい」では1問ごとに制限時間があり、問題の下のバーがなくなると「時間切れ」になって、まちがいと同じ扱いになります。
「書いてある文字は?」の問題(まぜる)

設定の「答えるもの」で「まぜる」を選ぶと、ときどき問いが「書いてある文字は?」に変わります。このときは逆に、インクの色ではなく、書いてある文字の意味のボタンを押します。問いの札は、ふだんは塗りつぶし、文字を答えるときは点線の枠になります。答え方が切りかわった直後はとくにまちがえやすいので、文字を見る前に、まず問いの札を確かめるのがコツです。
遊び方の種類と難しさ
| 遊び方 | 決まり |
|---|---|
| 30秒・60秒 | 時間内に何問正解できるか。まちがえても減点はないが、次の問題まで少し待つ |
| 20問のタイム | 20問を答え終わるまでの時間。まちがい・時間切れは1回につき2秒を足す |
| 今日の問題 | 20問のタイム・ふつう・まぜる。同じ日ならだれが遊んでも同じ問題 |
難しさは3段です。「やさしい」は4色で、1問の時間制限はありません。「ふつう」は5色で1問2秒まで、「むずかしい」は6色で1問1.6秒まで。色が増えるとボタンを探すのに時間がかかり、制限時間が短いと、文字につられる前に落ち着いて色を見る余裕がなくなります。はじめての人は「やさしい」の30秒から始めると、感じがつかみやすいでしょう。
結果の画面には、正解の数(またはタイム)のほかに、正解率と、正解した問題の平均の反応時間が出ます。さらに、文字とインクの色が同じ問題(一致)と、ちがう問題(不一致)に分けた平均も出るので、自分の場合にストループ効果がどれくらい出たかが分かります。記録は、遊び方・難しさ・答えるもの・色のセットの組み合わせごとに残ります。
色のセット(赤と緑を使わない色)
色の見え方は人によって少しずつちがい、赤と緑の見分けがにがてな人は、日本では男性のおよそ20人に1人といわれています。設定の「色のセット」で「赤と緑を使わない」を選ぶと、あお・きいろ・くろ・ちゃいろ・はいいろ・みずいろの6色から使います。この6色は、明るさと「青っぽいか黄色っぽいか」の両方でちがいが出るように選んであり、赤と緑の見分けがにがてな人にも区別しやすい組み合わせです。どちらのセットでも、ボタンには色の見本といっしょに色の名前が書いてあります。
ストループ効果とは
ストループ効果は、アメリカの心理学者 J. R. ストループ(John Ridley Stroop)が1935年に発表した論文「Studies of interference in serial verbal reactions」(Journal of Experimental Psychology 18巻)で知られるようになった現象です。ストループは、色の名前の単語を別の色のインクで印刷したカードを作り、インクの色を声に出して言ってもらいました。すると、ただの色の四角の色を言うときにくらべて、100個の色を言い終わるまでの時間が平均で約74%も長くなりました(63.3秒から110.3秒)。
おもしろいのは、その逆です。同じカードで、インクの色を気にせずに文字を読むときは、黒いインクの文字を読むときとほとんど時間が変わりませんでした(約5.6%の差で、はっきりした差とはいえないもの)。つまり、文字は色のじゃまを受けにくいのに、色を言うときは文字に強くじゃまをされるのです。この片寄りがストループ効果の大きな特徴です。このゲームの「まぜる」で、「書いてある文字は?」の問題が比べて楽に感じるのはこのためです。なお、同じような実験は、ストループより前の1929年にドイツのイェンシュ(E. R. Jaensch)も報告していたことが知られています。
ストループ効果はその後、数多くの研究で確かめられ、注意の働きを調べる代表的な課題になりました。1991年には、半世紀分の研究をまとめた総説(C. M. MacLeod)が出ています。日本語では、文字の意味を答えるときにインクの色にじゃまをされる現象を「逆ストループ効果」と呼ぶこともあります。
出典: Stroop, J. R. (1935). Studies of interference in serial verbal reactions. Journal of Experimental Psychology, 18(6), 643–662. / MacLeod, C. M. (1991). Half a century of research on the Stroop effect: An integrative review. Psychological Bulletin, 109(2), 163–203. / ウィキペディア日本語版「ストループ効果」・英語版「Stroop effect」
なぜ迷うのか

迷う理由として、よく次のような説明がされます。わたしたちは毎日たくさんの文字を読んでいるので、文字を見ると、読もうとしなくても意味が自動的に頭に浮かびます。一方、「この色は何色か」を言葉にするのは、ふだんそれほど練習していない、ゆっくりした働きです。そのため、インクの色を答えようとしても、先に浮かんだ文字の意味がじゃまをして、答えを出すのに時間がかかったり、まちがえたりします。
ストループ自身も、この差は「文字を読む練習」と「色の名前を言う練習」の量のちがいで説明できると考えました。実際に彼の3つめの実験では、インクの色を言う練習を8日間続けると、じゃまされる時間は減りましたが、なくなりはしませんでした。読む働きの速さを重く見る説(処理の速さの説)、色に注意を向け続ける働きを重く見る説(選択的注意の説)など、くわしい説明にはいくつかの考え方があり、今も研究が続いています。
速く正確に答えるコツ
1. 文字の形ではなく、色のかたまりとして見る
文字をくっきり見ようとすると、読んでしまいます。目の焦点を少しゆるめて、文字を「色のついたかたまり」としてぼんやり見ると、意味が入ってきにくくなります。文字の端のほうや、太い線の一部だけを見るのも一つの方法です。
2. ボタンの並びを覚える
ボタンの並びは、遊んでいる間は変わりません。最初の何問かで「あかは左上、あおはその右」と位置を覚えてしまえば、ボタンを探す時間が減ります。キーボードなら、指を数字キーに置いたままにしておくと速くなります。
3. 心の中で色の名前を言う
インクの色を見たら、心の中で「あお」と短く言ってから押すと、文字の意味に引っぱられにくくなります。ただし、慣れてきたら言わずに押せるようになるほうが速くなります。
4. 速さより正確さを先に
30秒・60秒では、まちがえると次の問題まで少し待たされます。20問のタイムでは、まちがい1回で2秒が足されます。どちらでも、1問を少し慎重に答えたほうが、結局は記録がよくなることが多いです。
5. 「まぜる」では問いの札を先に見る
問いが「書いてある文字は?」に切りかわった直後が、いちばんまちがえやすいところです。目を問題の文字に向ける前に、上の札が塗りつぶし(インクの色)か点線(文字)かを確かめましょう。
6. 疲れたら休む
集中が続くのは長くありません。何回か続けて遊んだら、少し休んでからのほうが記録が出やすくなります。
よくある質問
脳トレの効果はありますか?
このゲームは、ストループ効果を体験しながら集中して遊ぶためのものです。脳の働きがよくなる、病気を防ぐといった効果をうたうものではありません。ストループ課題のような練習で、ふだんの生活での頭の働きがよくなるという確かな根拠は、今のところないとされています。
反応時間はどれくらいならよいですか?
決まった目安はありません。端末や画面の大きさ、指で押すかマウスかでも変わります。同じ端末で、自分の記録を少しずつ伸ばしたり、一致と不一致の差を比べたりして楽しんでください。
色がうまく見分けられないときは?
設定の「色のセット」で「赤と緑を使わない」を選んでみてください。それでも見分けにくい色があるときは、画面の明るさを上げると見やすくなることがあります。このゲームは色の見え方を調べるものではありません。
今日の問題とは?
日付ごとに決まった20問で、同じ日ならだれが遊んでも同じ順番の問題が出ます。難しさは「ふつう」、答えるものは「まぜる」です。1回目の記録と、その日のいちばんの記録、何日続けて遊んだかが残ります。
途中でやめたらどうなる?
別のタブに移ったときなどは自動で一時停止し、「続ける」で再開できます。ページを閉じても、同じ端末なら「続きから」で再開できます(答えている途中の問題は、もう一度出し直します)。記録は使っている端末のブラウザの中だけに保存されます。
音は出る?
はじめは音が出ない設定です。「音:オフ」を押すと、正解やまちがい、残り3秒のときに効果音が鳴ります。